電力不足に苦しむウクライナ、記録的な猛暑が追い打ち キーウで観測史上最高34度を記録

電気自動車をイメージした写真

懐中電灯の明かりを頼りに、幼い娘を抱きかかえながら12階にある自宅を目指す、マルガリータ・ザハルチュクさん。

アパートのエレベーターは停電のため止まったままだ。

ウクライナでは頻繁に停電が発生し、エアコンや冷蔵庫も使えない。

そこへ記録的な猛暑が追い打ちをかけている。

マルガリータ・ザハルチュクさん「まず変わったのは、もうあまり料理をしなくなった。次に、冷蔵庫で食品を長期間保存することができなくなった。例えば、子ども用の菓子はすぐに腐ってしまう。2―3日で食べられなくなってしまう。だから今日明日で食べられる分しか買わない」

ロシアの執拗な空爆で同国のエネルギーシステムは破壊され、数時間に及ぶ計画停電を余儀なくされている。

ウクライナの観測所は16日、前日にキーウの気温が観測史上最高の約34.2度を記録したと発表した。

17日の気温はさらに高くなることが予想されるという。

「猛暑の時でもエアコンが使えない。シャワーで何とかしのいでいる。子供たちに水浴びさせたり、できれば公園など外に出るようにしている」(ザハルチュクさん)

店舗の経営者は、発電機使用によるコストの増加に商品の損失に頭を抱えている。

「かなり苦しい。停電は日中6―8時間続き、乳製品やアイスクリームには痛手だ。牛乳やバターは腐ってしまうので、あまり注文しない。商品を返品しなくてはならない」

ウクライナの経済全体も暑さで苦戦している。

気象当局は、中部・南部・東部で晩期栽培の作物の収穫量が最大30%減少する可能性があると指摘する。

ウクライナの送電事業者は、設備の故障に続いて熱波に伴う需要増加のため、キーウを除く7地域で一部消費者を対象に、新たな緊急停電を行うと発表した。

エネルギー省は電力網の保全のため、消費者に対しエネルギーの節約と、消費電力の大きな家電製品の使用を最小限に抑えるよう呼び掛けている。

参照元∶Yahoo!ニュース