東京都知事選、終盤戦へ活動佳境

選挙活動をイメージした写真

東京都知事選は29日で告示から10日がすぎ、17日間の選挙戦は終盤に向かう。

街頭で、SNSで、1100万人超の有権者に支持を広げる各候補の活動は佳境を迎えている。

「都政をもっと良くしていきたい」。

現職で3選をめざす小池百合子氏(71)は29日夕、足立区の北千住駅前で告示後4回目の街頭演説をした。

2期8年の実績を強調しながら、約15分間の演説で支援を訴えた。

平日は公務優先。

目立つのが行政視察だ。

介護施設、防災に取り組むマンション、水門、コンテナターミナル――。

視察が1日4件に上った日も。

「これまでの確認をし、さらに何が必要なのかは現場を見てよく分かる。大変有意義な視察」と目的を語る。

少ない街頭演説でも、支援する自民党、公明党、小池氏が特別顧問を務める地域政党・都民ファーストの会の議員らが演説をする場面はない。

陣営幹部は「小池さん以上の顔役はいない。本人にできるだけマイクを持ってもらう」と話す。

前参院議員の蓮舫氏(56)は29日、民間事業者による再開発が計画されている明治神宮外苑地区を訪問。

代表的景観となっているイチョウ並木で報道陣の取材に応じ、再開発の是非を問う都民投票の実施を新たな公約として発表した。

蓮舫氏は、同再開発について、かねて「いったん立ち止まる」との考えを示していたが、再開発の見直しに踏み込むかどうかは明言していなかった。

都民投票案についても時期や投票方法などは明言していないが、「争点にならない」と従来路線の継続を打ち出す小池氏と違いを鮮明にする狙いがある。

「知事は『民間事業』と突き放すが、都は当事者。

リーダーが決断すれば立ち止まることは可能」と話した。

古巣の立憲と共産党、社民党の支援を受ける。

街頭演説には各党の国会議員が並び、連日、自民批判を展開している。

前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)は、告示以降、1日に10カ所ほどの街頭演説を続けている。

29日は、事前に演説場所として公表した大田区内など6カ所に加え、マンションや公園などでも選挙カーを止め、計10カ所以上で街頭に立った。

同区の東急大岡山駅前の演説では「全国が都知事選に注目している。皆さんの力で東京を動かして日本を動かしてほしい」と呼びかけた。

各地の街頭演説では、大手銀行に勤務した経験を背景に「経済人として初めての都知事を目指す。成長戦略として掲げるのは教育だ」との主張も。

1カ所の演説は短めだが、演説の動画をこまめにYouTubeで配信しており、再生回数は候補の中でも多数に上っている。

AI(人工知能)エンジニアの安野貴博氏(33)は、自身の公約を学習させた「AIあんの」をYouTubeで活用。

27日時点でコメント欄に書き込まれた政策要望などへの回答は6千回を超えた。

電話による音声のやりとりもできる。

タレントの清水国明氏(73)は、告示以降、都内各地で街頭演説を重ねている。

政策の軸として掲げるのは、災害対策の強化。

22日には八丈島を訪問した。

26日には、葛飾区内で安野氏と「合同演説会」を実施し、議論する場面もあった。

元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)は若者への訴えにも力を入れている。

25日には新宿・歌舞伎町で、付近の繁華街で働く男女ら約100人に向けた演説会を開催。

田母神氏が「都民の生活を守り、都民税を下げる」などと語ると拍手が起きていた。

参照元:Yahoo!ニュース