「産後ケアできなくならぬよう」出産費用の保険適用検討会で本格的な議論開始 負担軽減への期待も産科から不安の声
出産費用の保険適用について、厚生労働省はきょう、初めての検討会を開き、本格的な議論を始めた。
出産費用の負担が減るとの期待の声の一方、産科の現場からは不安の声も上がっている。
負担軽減への期待も産科から“不安の声”待ち遠しい、新しい命との対面。
ただ、そのためには多額の費用も。
現在、出産すると一時金の50万円を受け取れるが、地域によっては足りないケースもある。
生後2か月と1歳娘の親(30代)「(出産費用は)高いと思う。負担感はあります」「一気に(支払う)となるとちょっときつい」
生後3か月娘を都内で出産(30代)「(一時金)50万円ほど頂いたが、全然足りなくて。出産費用が保険適用になると、負担も少なくて済むかなと思う」
出産費用の負担を減らすため、厚労省はきょう、保険適用について初めての検討会を開き、議論を始めた。
現在、出産費用は原則「自由診療」で、医療機関側が自由に価格を設定できる。
厚労省は保険適用で全国一律の価格を設定したうえで、“標準的な出産費用”について、妊婦の負担をゼロにすることを検討している。
横浜市の産科クリニック。
2日前に出産した女性(30代)「やっと会えたなって。私に似ているかパパに似ているか、やっと顔が見れたという喜びもある」
6人目の子どもを出産したばかりの女性。
2日前に出産した女性(30代)「腰が痛いです」
理学療法士「触りますね。少し左右差がありそうで」
このクリニックを選んだ理由は、産後のケアが充実しているからだという。
理学療法士による骨盤のケアや、助産師による1対1での母乳に関する指導などを受けることができる。
2日前に出産した女性(30代)「安心して産める、安心して産んだ後も過ごせる、私の中では一番(出産場所を選ぶ)決め手になる」
ただ、産後ケアが保険適用されるかどうかはこれからの議論で、不安もある。
よしかた産婦人科 善方裕美 院長「一番不安なのは保険というものと、それ以外の保険にはならないであろうケアの部分。どう切り分けるのか。今やっている私達のきめ細やかなサービスができなくなってしまうような制度にはならないように議論していただきたい」
厚労省などは保険適用した際の産科医療への影響などを慎重に議論する方針で、来年春ごろに検討会の取りまとめを行う予定だ。
参照元∶Yahoo!ニュース