アップル、アップストアがデジタル市場法に違反 欧州委予備決定
欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会は24日、米アップルのアプリ市場「アップストア」のルールについて、EUの「デジタル市場法(DMA)」に違反しているとする予備的な調査結果を発表した。
アプリ開発者が消費者を代替サービスに誘導することを妨げていると指摘した。
調査は3月に開始、欧州委は今回の調査結果をアップルに通知したとしている。
同法違反が認定されるのはアップルが初めて。
来年3月までに最終的な決定を下す。
違反が正式に認定された場合、全世界の年間売上高の10%の制裁金が科される可能性がある。
ベステアー上級副委員長(競争政策担当)はアップルの新たな条件はDMAに準拠していないとの見解を示した。
アップルは条件を変更して懸念に対処すれば罰金を回避できる。
「現状ではこの新しい取引条件はアプリ開発者がエンドユーザーと自由にコミュニケーションを取り、契約を結ぶことができないと考えている」と記者会見で述べた。
DMAをどのように順守するかを決めるのはアップルであり、同社に何をすべきかを指示するつもりはないとした。
アップルは電子メールで、デベロッパーと欧州委からのフィードバックを基に、DMAを順守するため過去数カ月間に多くの変更を行ったと説明。
「これまで通り欧州委の意見に耳を傾け、対応を続けていく」と表明した。
欧州委は、ほとんどの取引条件において、アプリ開発者がアプリ内に、顧客が契約を締結できるウェブページにリダイレクトするリンクを張る「リンクアウト」を通じてのみ、外部への誘導を許可している点を問題視。
デベロッパーがアップストアを通じて新規顧客を獲得した場合にアップルが請求する手数料についても批判した。
アップルは「われわれのプランが法律に準拠していると確信している。
新しい取引条件の下ではデベロッパーの99%以上がアップルに支払う手数料が同じか、それ以下になると見込んでいる」と訴えた。
欧州委はアップルに対して新たな調査を開始したことを明らかにした。
外部のアプリデベロッパーとアプリストアに課した新たな契約条件が必要で適正なものか調査する。
デベロッパーがアップルに支払う中核技術料、iPhoneに別のアプリストアをインストールするための手順、開発業者が代替アプリストアを提供したりウェブから直接アプリを配布したりするための資格要件を問題にしている。
アップルは3月にEUで新たな手数料を導入したが、同社の決済サービスを利用していない大手デベロッパーにもコア技術料が課せられ、エピック・ゲームズなどから批判を招いている。
ベステアー氏はまたアップルが先週、DMAを理由にEUでの人工知能(AI)サービスの提供を延期するとしたことも非難した。
アップルは自社のAIサービスが反競争的である可能性を示唆したようだと述べた。
参照元∶Yahoo!ニュース