吹石一恵、ドラマ作りの空気に触れて「感動を覚えた」、9年ぶり出演「アンチヒーロー」で正義の人 桃瀬礼子を好演
TBS系日曜劇場「アンチヒーロー」(長谷川博己主演、後9時)で9 年ぶりにドラマ出演した女優の吹石一恵がこのほど、スポーツ報知の取材に応じ、今作への思いを語った。
演じたのは検事の桃瀬礼子。志水(緒形直人)の冤罪(えんざい)を晴らすために調査を続ける中、志半ばで倒れ、明墨(長谷川)に託す重要な役どころ。
久しぶりに現場に戻った心境、出演に至るまでの思いを明かした。
9年ぶりに立ったドラマの現場。緊張や不安、懐かしさ、安堵(あんど)感、様々な感情が同居する中、一番に勝ったのは喜びだった。
吹石は「久しぶりの現場は、以前にも増して、作品に対する情熱と愛情にあふれ、ドラマ作りという空気の中に戻って来られたことに感動を覚えました」とかみ締めながら語った。
撮影初日のことは、印象に強く残っている。
プロデューサーの飯田和孝氏、大形美佑葵氏、演出の田中健太監督ら勝手知ったる仲だったが、「安心感、信頼感はありつつも、9年という時間の経過もあり、正直不安ばかりでした。
『桃瀬を演じる』ことと『緊張していない私』を演じること、その両方を同時進行していて、いっぱいいっぱいでした」と告白。
そんな中、精神的支柱となったのが主演の長谷川の存在だった。
「(役作りとして)表情にニュアンスをつけるために、長めの前髪を作りました。そうした準備はありながらも、すでに、明墨として生きていた長谷川さんと向き合った時、自然と桃瀬にしていただけたと思います」と感謝した。
検事の桃瀬は、糸井一家殺人事件が冤罪(えんざい)ではないかと気付き、志水の冤罪を晴らそうと、ひとりで調査を続ける。
途中、伊達原(野村萬斎)によって異動を命じられ、重度の病を患う中で、同僚の明墨に手紙と調査ファイルを託し、志半ばでこの世を去る。
吹石が台本を読み、彼女に抱いた印象は「正義の人。自分の信じる正義を胸に、どんなことがあろうと真っすぐ突き進んでいく女性」だった。
撮影には「人生を懸けて、真実を追求しようとするひたむきさ。その真っすぐな想(おも)い、ひたむきさが明墨にどんな影響を与えたのか」を意識して臨んだ。
ドラマ出演はテレビ朝日系「アイムホーム」(15年)以来。
オファーをもらい、光栄に感じる一方、長期間のブランクによって、なかなか答えを出せずにいた。
そんな時、親身になってくれたのが同世代の飯田プロデューサー。
同局系「とんび」(13年)で共に仕事をしていた。
「作品や役について、最近の撮影現場について丁寧にご説明してくださった飯田さんのおかげで、ひとつひとつの不安や心配が払拭され、安心して出演を決断するに至りました。返答に時間がかかってしまい、申し訳ない気持ちと同時に、真摯に向き合ってくださったプロデューサーの皆さまのお気持ちに感謝致します」
最終的な出演の決め手には「オリジナルストーリーの面白さ」を挙げた。
「昨年、企画書を読ませていただき、この作品に出演したい!と強く思いました。読むほどに惹(ひ)き込まれるストーリー、ひと癖もふた癖もあるキャラクターたちが現場でどう動くのか?、この目で見たい!と思いました」
撮影を終えて、客観的に振り返ることができるようになったからこそ、「今」の心境を聞いた。
「出演させていただくことが決まってからの数か月間、毎日緊張しっぱなしでした。撮影が始まってからもデビューしたての頃のような気持ちで、毎シーン毎カット、緊張しながらスタジオやロケ現場に通っていました。無事に撮影終了の日を迎えられたことに、ホッとしています」。
その上で「温かく迎え入れてくださったスタッフさん、キャストの皆さまに心より感謝しております」と話し、周囲への謝意を繰り返した。
「毎週『アンチヒーロー』のオンエアを楽しみにしている視聴者のひとり」という吹石。
「最終回に向けて、ますます目が離せなくなっていきます。次の日曜日も『アンチヒーロー』の世界に没入していただけると幸いです」と願った。
参照元∶Yahoo!ニュース