国民スポーツ大会を抜本改革、施設基準を緩和し分散開催も可能に 自治体の負担を減らす

バスケットボールをしている人

都道府県の持ち回りで毎年開催される国民スポーツ大会(国スポ、旧・国民体育大会)について、日本スポーツ協会(JSPO)が抜本的な改革に乗り出すことが3日、分かった。

開催地の自治体が整備する競技施設に求める基準の緩和や、複数の都道府県にまたがる分散開催などで2035年以降の大会運営を弾力化し、自治体の負担を減らす方針。

5日に理事会で有識者会議の新設を決め、将来像を巡る議論を本格化させる。

国スポは1946年に始まり、例年、秋の本大会と冬季大会で計40競技に約2万7000人が参加する。

本大会は2034年の沖縄大会で持ち回り開催の2巡目が終わる。

大会を機にスポーツ振興や施設整備が各地で進んだ。

一方、自治体の財政負担が課題となり、全国知事会は今夏、提言をまとめる方針だ。

関係者によると、有識者会議は知事会や市町村、スポーツ界の代表者ら20~30人で構成し、今年度中に改革の方向性を示す。

経済界も参画し、経済波及効果や観光誘客を増やす方策も話し合う。

国スポでは、競技ごとに必要とするコート数や収容人数などが定められ、自治体には特に施設整備費が負担となる。

有識者会議では、▽基準の緩和による既存施設の活用促進▽複数の都道府県での分散開催――などを検討する。

一部の競技を同じ会場で続ける固定開催も選択肢になる。

式典の簡素化や、大会の人気を回復するためにトップ選手が出場しやすい会期の設定も話し合う。

競技によっては隔年開催とすることも視野に入れている。

JSPOの遠藤利明会長(元五輪相)は「幅広い世代が郷土を代表して集い、交流する多様性が国スポの大きな価値。変えてはいけない開催意義も議論しながら、聖域を作らずに改革を進めたい」と話している。

参照元∶Yahoo!ニュース