アルゼンチン止まらぬ物価高、隣国の町もゴーストタウン化
アルゼンチンのミレイ政権が昨年12月に行った通貨ペソの大幅に切り下げやその直後に導入した「クローリング・ペッグ制」、そして根強いインフレが、輸入と輸出の両面を通じて経済活動や国民生活に痛みを与え続けている。
クローリング・ペッグ制は、毎月2%と抑制された幅でペソ切り下げを容認する仕組みだが、これはペソの過大評価をもたらしており、再切り下げの可能性もくすぶる。
一方で物価上昇率を加味したドル建て価格は高騰が止まらない。
例えば今年初め時点で1000ペソの商品は公式レートを適用すると1.24ドルだったが、4月までの65%という累積的な物価上昇率を踏まえれば、4月末の同じ商品は1650ペソ、1.88ドルと50%余り値上がりしたことになる。
ウルグアイ・カトリック大学でウルグアイとアルゼンチンの物価動向を比較研究している経済学者のヒメナ・アブレイユ氏は「アルゼンチン国民にとってこのプロセスは苦痛だ」と述べ、短期的に輸出と観光が打撃を受けると付け加えた。
参照元:REUTERS(ロイター)