大手損保4社、今年度も自動車保険料の値上げへ 事故増加や人件費上昇で収益性が悪化

自動車保険の見積もりをチェックしている人

損害保険大手4社が自動車保険料を今年度中に値上げする方針を示した。

値上げ幅は検討中。

5月20日行われた4社の親会社3社(持株会社)の決算会見で各社幹部が表明した。

コロナ禍の時期が過ぎて交通事故が増えた上、インフレで材料費や人件費が上がっていることで自動車保険の収益が悪化しているためという。

値上げ時期は2025年1月が有力で、実際に値上げすれば東京海上日動火災保険(24年1月の値上げ幅は2.5%)、三井住友海上火災保険(同約3%)、あいおいニッセイ同和損害保険(同)は2年連続となる。

旧ビッグモーターの問題で24年1月の値上げ唯一を見送った損害保険ジャパンは2020年1月以来の値上げ(軽自動車向け除く)となる。

会見で東京海上ホールディングスの岡田健司専務執行役員は「事故頻度、インフレの影響で自動車保険については25年1月にも料率改定(値上げ)する必要があると考えている」と語った。

MS&ADインシュアランスホールディングスの田村悟専務執行役員も「まだ詳細は決まっていないがこういう状況ですので、25年1月は(値上げを)やらざるを得ないと思っている」と述べた。

特に自動車保険の比率が高いあいおいニッセイ同和損保が苦戦しているという。

大手4社の中で唯一、24年1月の値上げを見送ったSOMPOホールディングスの濵田昌宏代表執行役専務は「可及的速やかに値上げを考えている。

前回やるはずだった分(約3%の値上げ)プラスアルファは考えないといけない」と話した。

同日発表された3社の24年3月期決算は、3社とも純利益は過去最高だった。

東京海上HDが6958億円、SOMPO HDが4160億円、MS&AD HDは3692億円だった。

参照元∶Yahoo!ニュース