八角理事長「ピリッとしたものがなかった」新三役大の里には「スタミナがない」 稽古総見

相撲の土俵を撮影した写真

東京場所前恒例の横綱審議委員会(横審)による稽古総見が2日、東京・両国国技館で一般公開の下、行われた。

幕内力士による稽古の締めは、大関陣による申し合いに新三役の小結大の里(23=二所ノ関)と関脇若元春(26=荒汐)が加わり、詰めかけた約2500人のファンも堪能した。

なお横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)は体調不良のため土俵に上がらず、返り三役の小結朝乃山(30=高砂)は先月25日の千葉・木更津巡業中の稽古で右膝を負傷した影響からか、参加しなかった。

稽古全体を総括した日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「緊張感というかピリッとしたものがなかった。

全体的に淡々としていて、ゆるっとしていた」と指摘した。

初日が10日以上先であることもあるが、厳しい指導がコンプライアンス問題としてストレートに扱われかねない、昨今の風潮にも要因はありそうだ。

「親方も(厳しい言葉を)言えなくなったのかな」と憂慮しつつ、それでも「稽古場は修行の場。世の中が何を相撲協会に求めているのか、考えさせられる」と協会トップの立場で話した。

稽古全体の空気を生ぬるく感じたからか、改名した大関琴桜(26=佐渡ケ嶽)の稽古についても同理事長は「強くなっていると思うけど(相手を)圧倒するものを出してほしい。ピリピリしたものがない。

まだ(大関に)上がったばかりだからかもしれないけど」と注文。

及第点を出したのは、申し合いで7連勝があった大関豊昇龍(24=立浪)で「唯一、ピリピリ感があったのは豊昇龍。大関なんだからあれぐらいは(ピリピリ感がほしい)」。

大の里に対しても「スタミナがない。ここ一番では馬力を発揮するけど、上に上がろうとするならスタミナが課題。大関を圧倒するぐらいの気持ちでいかないと、チャンスなんだから」と期待するがゆえの注文を出した。

参照元∶Yahoo!ニュース