南壮一郎さん、経営難の農業大学校を再建へ 運営法人の理事長に

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経営難に直面する原村・茅野市境の八ケ岳中央農業実践大学校は、転職サイト「ビズリーチ」などを手がけるビジョナルグループ創業者で持ち株会社「ビジョナル」社長の南壮一郎さん(47)が、経営再建に携わると明らかにした。

南さんは大学校を運営する公益財団法人「農村更生協会」の理事長に今月5日付で就任しており、取材に「会社ではなく、個人として関わる」と述べた。

南さんは取材に応じ、大学校について「赤字体質で破産寸前の状態にある」と説明。

今後の対応については具体的な言及を避け「足元の課題を整理しつつ、財務状況を整理し、経営再建へ取り組む」とした。

大学校は存続するという。

農村更生協会の太田豊彦会長と大学校の大杉立校長は留任。

ともに評議員だった原村の牛山貴広村長は理事に、茅野市の柿沢圭一副市長は退任する。

牛山村長は取材に「大学校は村を象徴する場所なので(経営再建を)見守りたい」と話した。

大学校は国の補助金削減や新型コロナの影響による農業研修受け入れの減少などで財政難に直面。

バイオベンチャー企業群「ちとせグループ」のちとせ研究所(川崎市)と連携し、経営再建を模索してきたが「両者の信頼関係が失われた」といった理由で3月末で連携を解消した。

大学校側は企業経営や仙台市の球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」立ち上げに携わった南さんの経営手腕を評価し、昨年秋以降、2回経営再建への協力を依頼。

南さんは知人の紹介で大学校の現状を知ったとし「経験と知識を役立てたい」と承諾した。

大学校は2020年に大規模酪農施設を誘致しようとしたが、景観維持を求める住民の反対などで白紙に。

住民団体「八ケ岳の美しい環境を継承する会」の橘田源二事務局長は「大学校の存続には安堵(あんど)しているが、今後どうなるか未知数なので、引き続き注視したい」と話している。

参照元:Yahoo!ニュース