外国人の消防団員、できる任務を明確化 新たな担い手確保目指し公権

消防車両の写真

総務省消防庁は来年度にも、外国人の消防団員が従事できる任務を明確化した指針を作り、全国の自治体に周知する方針を固めた。

消防団員の減少が続く中、外国人消防団員の業務範囲をあらかじめ定めておくことで、団員確保につなげ、地域の防災力を強化する狙いがある。

政府は公務員の公権力行使について、1953年の内閣法制局見解で「日本国籍が必要」との原則を示している。そのため、外国人は消防団の業務のうち火災現場からの退去などを命じる「消防警戒区域の設定」や、延焼防止のため家屋を破壊するといった「消火活動中の緊急措置」などは行えないと考えられている。

ただ、これまで政府は外国人消防団員の業務範囲を明確に示しておらず、自治体側からは線引きを求める声が高まっていた。

今回の指針策定はこの要望を受けたもので、同庁は消防団員の公権力行使に関する具体的事例や、外国人消防団員が担える活動内容を明示する方向だ。

可能な任務としては、災害時の避難誘導や避難所での通訳、住民への応急手当ての指導などが想定されている。

消防団員の減少は全国的に深刻化しており、新たな担い手として外国人に期待する自治体も多い。

同庁は今回の指針で、なり手不足の慢性化に歯止めをかけたい考えだ。

消防団 消防組織法に基づいて各市町村に設置され、消火や救助、避難誘導などを行い、消防隊員の活動を補完する。

団員は非常勤の特別職地方公務員。

年額報酬(標準額36,500円)や出動報酬(標準額1日あたり8,000円)が支給される。

参照元∶読売新聞オンライン