裁判官の「表現の自由」を慎重に検討、SNSの特性熟知と判断 岡口判事罷免

裁判官弾劾裁判所は3日、仙台高裁の岡口基一判事(58)=職務停止中=に罷免を言い渡した。
判決は裁判官の「表現の自由」を慎重に検討した上で、一連の投稿が罷免事由の「著しい非行」にあたると判断した。
裁判官弾劾法は、罷免事由を「裁判官としての威信を著しく失うべき非行」があった場合などと規定。
弾劾裁判では、SNS投稿、記者会見やインタビューでの発言など13件の行為が罷免事由に当たるかが争点だった。
判決は、女子高生殺害事件に関する行為(10件)、ペットの返還をめぐる民事訴訟に関する行為(3件)の2グループに分けて検討した。
岡口氏は平成27年に発生した殺害事件を巡り、29年以降、たびたびSNS投稿などをしてきた。
判決は、岡口氏に積極的に遺族を傷つける意図はなかったものの、個々の行為が「遺族感情を傷つけるもの」で、全体としても「非行」にあたると判断した。
その上で、これが罷免事由とまで言えるかについては、憲法が保障する「表現の自由」を検討。
長年、SNSを活用してきた岡口氏は発信者の意図に反して投稿が拡散するSNSの特性を熟知していたはずで、配慮を怠って遺族に精神的苦痛を与え続けたことは「裁判官の表現の自由の行使手段として問題があった」と指摘した。
その上で、裁判所と裁判官訴追委員会を批判する意図があった投稿を除き、一連の行為は許容限度を超える「著しい非行」だったと判断した。
一方、民事訴訟に関する行為も当事者を傷つけたものの、罷免事由とまではいえないとした。
判決によれば、岡口氏が今月12日の任期満了で退官する意向を示したことなどを踏まえ「罷免には一定の疑問が残る」とする少数意見もあったが、最終的には多数意見で罷免と結論付けた。
参照元∶Yahoo!ニュース

