衆院3補選、自民は東京15区と長崎3区で公認候補擁立を断念

選挙で投票している人の写真

自民党は2日、衆院3補欠選挙(16日告示、28日投開票)のうち、東京15区と長崎3区の公認候補擁立を見送る方針を決めた。

不戦敗の背景には派閥パーティー収入不記載事件などによる逆風がある。

東京15区は無所属で出馬予定の乙武洋匡氏を推薦する方針だが、公明党は支援に二の足を踏むなど不安含みだ。

自民の茂木敏充幹事長は2日、公認候補の選定が島根1区にとどまったことについて、党本部で記者団に「擁立しにくい状況があったのも確かだ」と説明した。

東京15区は公職選挙法違反事件で有罪が確定した柿沢未途元法務副大臣(自民を離党)の辞職に伴う補選だ。

自民は公認候補の公募も検討したが当選は難しいと判断。

小池百合子東京都知事が推す乙武氏への相乗りを余儀なくされた形だ。

しかし、与党の足並みはそろっていない。公明の石井啓一幹事長は2日の与党会合で、過去に女性問題が報じられた乙武氏の支援に慎重な考えを示した。

公明東京都本部関係者は産経新聞の取材に乙武氏の推薦は困難だと説明。

「現地は自主投票にしてほしいと言っている。都本部として推薦は難しいと党幹部に伝えた」と明かした。

不記載事件で略式命令を受けた谷川弥一氏の辞職に伴う長崎3区は、次期衆院選から区割りが変わる影響もあり不戦敗に追い込まれた。

唯一、公認候補を擁立した島根1区も事件への関与がささやかれる細田博之前衆院議長の死去に伴うだけに苦戦が予想されている。

岸田文雄政権の浮沈を占う3補選にもかかわらず、自民は明るい材料を見いだせていないのが現実だ。

参照元∶Yahoo!ニュース