選挙でインフルエンサーと手を組むインド政党、鍵は「地元密着」
チャンドニー・バガットさん(18)はこの3年間インスタグラムに宗教的な動画の投稿を続ける、インドのソーシャルメディア(SNS)におけるインフルエンサーだ。
最近は、信仰に関する日々の投稿に、政治的な内容を混ぜるようになった。
来るべき選挙に向けて、各政党はバガットさんのようなSNSインフルエンサーを何千人も動員している。
狙いは、幼い頃からネットに親しんでいる若いインド人有権者の獲得だ。
インスタグラム上でのバガットさんのフォロワーは20万人以上。
昨年、100人以上のコンテンツ制作者と共に、インド中部の都市インドールで開催された与党インド人民党(BJP)の職員との会合に招待された。
バガットさんのインスタグラムにはヒンドゥー教のシバ神に関する内容が並ぶが、昨年以降少なくとも5件、BJPを支持する投稿があるのが目を引く。
1件は地域の女性向け保健制度への支持、もう1件はBJP元閣僚と共に笑顔で写った自撮り写真だ。
バガットさんは「見てくれる人の利益になることを投稿しようと努めている」と話す。
インドのインターネット利用者は8億人を超える。
インスタグラムとユーチューブの普及率は世界一で、有力インフルエンサーに政党を応援する「顔」になってもらうのは理にかなっている。
モディ首相率いるBJPは昨年以来、SNS上のインフルエンサー数百人の取り込みを進めている。
いずれもインスタグラムやユーチューブで影響力を持つ人々だ。
数百万人のフォロワー数を誇る例もあれば、ほんの数千人という場合もある。
政権に対して批判的な主流メディアを回避して、こうしたインフルエンサーに閣僚へのインタビュー企画が持ち込まれる。
写真撮影の機会もあり、特定のテーマでモディ首相のメッセージを広めるようなキャンペーンが最高潮に達するのが4月と5月の総選挙だ。
旅行やグルメ、宗教、テクノロジーといった分野のコンテンツクリエイターが、その影響力ゆえに動員される。
参照元∶REUTERS(ロイター)