倒壊家屋から見つかった結婚指輪、思い出とともに遺族の元へ 能登半島地震3か月

結婚指輪を見つめる人の写真

元日の能登半島を襲った地震から明日で3か月。

地震で亡くなった人が自宅に残した品が家族の元に戻りつつある。

手つかずのままの倒壊家屋からボランティアが見つけ出した。

世界に一つだけの結婚指輪、約束していたお年玉。

形見となった品を手にした遺族は大切な人を思い起こしている。

地震で夫の翔太さん(当時40歳)を亡くした末藤佳織さん(40)は16日、石川県輪島市山岸町の自宅で、一番の宝物を手にして、涙が止まらなかった。

がれきの中から見つかった二つの結婚指輪。

夫が大好きだった漫画「ワンピース」の単行本の下に夫の、そのすぐ近くに自分の指輪があった。

「見つけてほしかったのかな。翔ちゃんらしい」

元日に最初の地震が起きた時、佳織さんは自宅1階の寝室にいた。

居間から駆けつけた翔太さんは佳織さんを抱きしめて安心させると、飼い猫を捜しに戻った。

その直後、今度は立っていられないほどの揺れ。

「翔ちゃん、翔ちゃん。私は大丈夫だから」「わかった」。

そんなやりとりの後、さらに揺れが襲った。

自宅は倒壊。佳織さんははって外に出たが、

翌日午後に見つかった翔太さんは息を引き取っていた。

2人は熊本県出身で、輪島塗を勉強したいという佳織さんの希望で地域おこし協力隊員として2022年3月に移住した。

夫婦の名前が刻まれ、それぞれ白とピンクのダイヤモンドを埋め込んだ指輪は、結婚を控えた17年1月に手作りしたもの。

翔太さんはサイズが合わなくなり、佳織さんは制作する漆器を傷つけないために2人とも指輪を外していた。

指輪が見つかるはずがないと諦めていたが、倒壊した自宅で一緒に家財を捜してくれた災害ボランティアの一人が見つけてくれた。

「気持ちの整理はつかないけれど、目の前のことを頑張りたい」。

佳織さんは左手薬指にはめた指輪を見つめた。

参照元:Yahoo!ニュース