日鉄でUSスチール買収完了させると声明で主張
日本製鉄は15日、米USスチールの買収に関して「強い決意のもと」で完了させるとの声明を発表した。
これまでバイデン米大統領はUSスチールについて、米国資本の企業として存続するよう求めていても退かない姿勢を示していた。
日鉄は声明で、買収はUSスチールだけでなく労働組合や米国鉄鋼業界、米国の安全保障に明確な利益をもたらすと発表している。
投資の拡大と先進技術の提供を通じて競争力がある製品やサービスを生み出し、米国の優位性を高めるとした。
独力で実現できる米企業はなく、USスチールが今後何世代にもわたり米国の象徴的企業としてあり続けるための最適なパートナーだと確信していると伝えている。
また、全米鉄鋼労働組合(USW)は雇用、年金、設備投資、技術共有、財務報告や買収成立後のUSWとの労働協約に関する義務履行の確保に関する重要な約束事項を提案し、相互に合意可能な解決に向けた努力を継続するとも伝えている。
日鉄によるUSスチール買収を巡ってはバイデン大統領が先に「USスチールは1世紀以上にわたって米国を象徴する鉄鋼会社だった。米国の鉄鋼会社として国内で保有され、経営を続けていくことが極めて重要だ」と声明で主張。
「米国の鉄鋼労働者を原動力とする強力な米国の鉄鋼会社を維持することが重要だ。米鉄鋼労働者には私がついている。それが私の本心だ」と述べた。
バイデン大統領の今回の声明では、買収計画に対する連邦当局による現在進行中の精査については言及しておらず、計画を阻止する方針だとも明言していない。
この買収計画の実現には株主の承認が必要だが、市場が注目しているのは対米外国投資委員会(CFIUS)による審査だ。
CFIUSには、買収計画を承認するか、国家安全保障上の懸念を理由に阻止する、ないし修正を求める権限を持つ。
またバイデン大統領に判断を委ねる可能性もある。
バイデン大統領の声明が、この審査に何らかの影響を及ぼすのかは明らかではない。
CFIUSを傘下に持つ財務省はすぐにはコメントに応じなかった。
参照元∶Yahoo!ニュース